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×本『天空の舟〈上・下〉』宮城谷昌光

天空の舟〈上〉小説 伊尹伝

天空の舟〈上〉小説 伊尹伝
(2000/08)
宮城谷 昌光



★★★★☆

中国の古代王朝・夏の末期から商の初期の時代のお話しです。
まず伝説のようなこの時代についての資料はおそらく乏しく、このような物語に描きあげられるなんて、作家というのは本当にすごいですね。
主人公の摯が野で暮らす場面が一番心に残っています。この場面を読んだときに見えた景色、風景、風、香り、時間、空気感・・・言葉にするのは難しいのですが、なんともいえない調和に満ちた世界に心が満たされました。とは何か?の間にある人間は
どのような存在にあったのか?などなど・・・想いが膨らみます。はるか彼方の古代物語世界との間に感じられる程良い距離感が心よく、じんわりとした読後感。ハードカバー版(文藝春秋社?)の装丁(表紙イラスト)も素敵です。
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×本『孟嘗君』宮城谷昌光

孟嘗君〈1〉 (講談社文庫)孟嘗君〈1〉 (講談社文庫)
(1998/09)
宮城谷 昌光

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★★★★☆

NHK教育テレビ知るを楽しむ この人この世界~孟嘗君と戦国時代』をみて、その内容とひょうひょうとした感じの宮城谷氏本人に興味を持ち、読んでみました。(番組は2回くらいしかみることができませんでしたが)

とても面白かったです。
今の自分の気分にも合っていたのか、全5巻一気に読んでしまいました。

中国の戦国時代、人名などなかなか覚えきれない難しい漢字もありますが、文章はとても読みやすく、心地よいリズムで読み進めることができました。
中国の歴史に題材をとっているものの、日本人である作家・宮城谷氏の目、美意識、思想、感性といったものが自然と感じられました。

登場人物たちがいずれも魅力的で、主人公を含め、この時代の傑出した人物たちが大勢でてきます。
小説なので史実にどのくらい忠実であるのかはわかりませんが、ここに登場する人物、中国史や儒教、諸子百家、東洋思想など・・・もっと深く知りたい。心をかき立てられます。

人としてどうあるべきか、またどうありたいのか、どのように生きていくべきなのか、生きていきたいのか、仁と義を重んじ、人々のために自らをなげうってこそ、人がいるからこそ、人と共にあるからこそ人生は幸福になる。。。

「文どの、人生はたやすいな」「そうでしょうか」「そうよ……。人を助ければ、自分が助かる。それだけのことだ。わしは文どのを助けたおかげで、こういう生きかたができた。礼を言わねばならぬ」「文こそ、父上に、その数十倍の礼を申さねばなりません」「いや、そうではない。助けてくれた人に礼をいうより、助けてあげた人に礼をいうものだ。文どのにいいたかったのはそれよ」(『孟嘗君』第5巻 函谷関より)

心に響く数々の台詞やシーンに心が熱くなります。
静かな情熱が残りました。

もう一度読みたい本です。

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